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世界遺産航路 うらら に乗船して原爆ドームから厳島へ

 

広島県には2つの世界遺産があります。いわずとしれた「原爆ドーム」と「厳島神社」です。広島は三角州の街であり、市中を幾本もの河川が流れていて、それが瀬戸内海に流れ込んでいるのですが、その河川を利用して厳島神社のある宮島までを結ぶ、夢のような航路があるんです。

一昔前まではこの航路はなかったことを考えると、とても便利で魅力的な移動手段だとホントに思えます。そんな航路の乗船記で、原爆ドーム→宮島行を利用してみました。

 

 

 

 

広島市内中心部の本通商店街を西向きに歩くと、商店街の先に平和公園があります。公園は、市内を流れる元安川を境にして作られているのですが、世界遺産航路は、この元安川にかかる橋のたもとより始まります。

 

 

乗り場は原爆ドームからも歩いてすぐという好立地です。原爆ドームを見てすぐそのまま宮島へ向かうことができるというなんとも贅沢な行程を組むことができるのが最大の魅力。2つの世界遺産を文字通り航路で結んでいるのがこの「世界遺産航路」の名の由来です。

乗船にあたっては、乗り場の建物内の券売機にて乗船券を購入することができます。

 

 

乗船券を購入し、船が着くと同時に乗船します。

 

 

この世界遺産航路に使用されている船舶は複数船あるのですが、いずれも船体高はかなり低いです。これは、河川を通過する際、潮の干満による潮位への対処のようでした。多くの橋下を通過するので、満潮の時などはかなり橋に近づくということなのかもしれませんね。世界遺産航路の利用上の注意などが案内されていたのですが、潮位によってルート変更や欠便なども日によってあるようなので、利用の際は当日の潮位の確認は必須かもしれませんね。

 

デッキから船室には階段で下ります。

 

 

船体高の低さもあって、船室の天井もはやり低いのですが、座ってしまえばそこはそんなに気にならないかと。

席についた後、いよいよ出発の時がきたのですが、出発後すぐに、世界遺産航路ならではの光景が船窓から目に飛び込んできました。

 

 

そう!原爆ドームがすぐ目の前に見えています。とても贅沢な風景ですよね。原爆ドームは一般的な観光名所とはもちろん、意味合いが違ってはきますが、この船窓からの風景を目にしてしまうとやはり贅沢な瞬間かもしれませんね。近くまで近づくことはできるのですが、船に乗らないと、このアングルでは見ることができないので。

 

そして原爆ドームを過ぎた後は、宮島に向けて河川を下りはじめます。

 

 

河川を下る間は速度もある程度おさえての運行で、この間はデッキにて風に当たることができます。この日は天候にも恵まれたのでとてもさわやかな気分に。

 

 

ところでこの広島の河川流域には「雁木(がんぎ)」とよばれる階段上の構造物が数多く残されています。これはかつて干満による潮位に対応する為につくられた階段上の荷運びの導線だったようです。現代の港湾設備や河川設備においては珍しいもののようですが、この広島の河川流域ではかなりの数の雁木を見受けることができます。これは水都である広島の一つの表情といえるかもしれませんので、乗船の際は是非気に掛けてみて下さい。

 

そして船は瀬戸内へとひた走ります。途中上り船(宮島→原爆ドーム)とすれ違うなど、変化のある風景を楽しむことができます。

 

 

 

そして河口がいよいよ近くなってくると、係員の方から船内へと案内を受けました。速度をあげるようなので、安全の為にということでしょう。指示にしたがって船室へ入ります。

 

 

ここからは瀬戸内のおだやかな風景や、広島市の港湾関連施設、そして廿日市市や五日市市の市街地風景を遠巻きに眺めながら宮島を目指していきます。個人的には、船体進行方向の左側に見える瀬戸内の風景がおススメなのですが、この日は右側に座ってしまいましたので、市街地を遠巻きに眺めてみることにしました。

 

 

河口を出てからはかなり早く感じます。しばらくすると、宮島が視界に入りました。

 

 

いまなお原生林に覆われた聖域とも言われる島がこの「宮島」です。島内にそびえる弥山(みせん)の山頂から見る瀬戸内の多島美は登るだけの価値を感じさせてくれるものです。広島で生まれ育った当方ですが、遠足などでよく登った記憶があります。

 

 

そしてあっという間に宮島に到着です。到着はフェリーとは違う第3桟橋に着船します。フェリーの運航の風景も宮島をバックにみるとなんだか気分があがりますね。

 

 

 

短い時間ではありますが、広島の河川からの眺めや、瀬戸内のおだやかな表情、神々しい宮島の眺めを体感できる贅沢な航路です、なにより原爆ドーム⇔厳島神社を直接結んでいるという、広島ならでは航路。広島を訪れる際は是非とも利用されることをおススメしたいです。時間的にも乗り換えなしで早く移動できるので、スケジュールに少しでも余裕を作りたいときなんかは一層良いと思います。

 

 

 

水都広島を体感できる貴重な航路ですが意外と知らない方も多そうですので、広島人としてここでご紹介しておくとしますw 是非ご参考ください!

 

地図

 

 

行程

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